日本酒は、日本の伝統的な米を原料としたアルコール飲料です。米を主原料として醸造され、麹(こうじ)と呼ばれる麹菌(こうじきん)による発酵と酵母による二次発酵を経て作られます。日本酒は、その独特の風味や品質、多様な味わいで知られています。以下に、日本酒の特徴や製造工程について説明します
製造の概略
麹菌による米のでんぷんの発酵(糖をつくる) → 酵母による糖の発酵(もろみ)で(アルコールができる。) →しぼり(「日本酒」と「酒粕」に分ける)→熟成
特徴
風味と香り
日本酒は、米や麹の特徴的な風味と香りを持ちます。米や麹の種類や品質、醸造方法によって異なる味わいが生まれます。
風味(ふうみ)とは
食品や飲料などの味覚と嗅覚によって感じられる特有の味や香りのことを指します。
甘口から辛口まで
日本酒には、甘口から辛口までさまざまな味わいがあります。醸造中の発酵や熟成の過程で、甘みや酸味、苦みなどのバランスが調整されます。
温度による味の変化
日本酒は、冷やして飲むこともあれば、温めて飲むこともあります。温度によって味や風味が異なるため、季節や気分に応じて楽しめます。
製造工程
精米(せいまい)
米を洗って除皮し、白米を製造します。精米歩合は、酒米の特性や製造する酒の種類によって異なります。
麹造り(こうじづくり)
米を蒸して麹菌を繁殖させ、麹を作ります。麹によって米のデンプンが糖化され、後の発酵でアルコールが生成されます。
醪造り(もろみづくり)
麹と水、酵母、米を混ぜて醪を造ります。麹の糖化と酵母の発酵によってアルコールが生成されます。
仕込み(しこみ)
醪を圧搾(あっさく)して濾過し、清酒を作ります。清酒は冷蔵庫で熟成させることが一般的です。
圧搾(あっさく)の種類
これは醪を搾って、日本酒と酒粕に分けることで、以下の3つがある。
1.最も一般的な自動圧搾機を使って搾る方法
2.酒袋に醪を入れ吊るして自然の力で搾る「袋吊り(ふくろづり)」、
3.「槽搾り(ふなしぼり)」
槽搾り
縦342cm×横92cm×高さ110cmほどの大きさの酒槽に、醪(もろみ)を入れた酒袋を積み重ね、無理な圧力をかけずに自らの重みでゆっくりと搾り、最後に機械で圧力をかけて搾る方法
熟成(じゅくせい)
温度や湿度を管理して、清酒を熟成させます。熟成によって風味や味わいが深まります。実際には、貯蔵タンク内でひと夏あるいは1年間、過ごすことで酒質を落ち着かせること。
以上が、日本酒の一般的な特徴と製造工程についての概要です。日本酒は、その豊かな風味や歴史、伝統によって世界中で愛されています。
製造工程を絵を引用してみた。理解の補助にどうぞ。
麹づくりのところで、麹づくりと醪づくりが一緒になっていますね。また、工程も多くなっています。
麹菌とは(上記で出てきた麹菌について調べてみた。)
麹菌(こうじきん)は、醸造や発酵に用いられる微生物の一種であり、日本酒や醤油、味噌などの日本の伝統的な発酵食品の製造に欠かせない重要な役割を果たしています。麹菌は、主に麹(こうじ)と呼ばれる特殊な麹菌培地で培養され、その後、食品の発酵過程で使用されます。
以下に、麹菌の主な特徴と役割をいくつか挙げます:
- アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae): 日本の伝統的な発酵食品の製造に使用される麹菌の代表的な種類です。麹菌は、米や大豆などの原料を分解して糖化し、後の発酵過程でアルコールや有用な化合物を生成します。
- 糖化作用: 麹菌は、原料中のデンプンを糖化し、ブドウ糖やマルトースなどの糖分に変える役割を果たします。これにより、後の酵母による発酵でアルコールが生成されます。
- 風味形成: 麹菌の種類や培養条件によって異なるが、麹菌は食品に特有の風味や香りをもたらすことがあります。日本酒の場合、麹菌が米のデンプンを分解する際に生じる香り成分が、最終的な味わいや風味に影響を与えます。
- 抗菌作用: 麹菌の発酵過程によって生成される有機酸やアルコールは、他の微生物の成長を抑制する作用があります。これにより、発酵食品が保存されることが可能となります。
麹菌は、日本の伝統的な食品製造において重要な役割を果たしていますが、近年ではその他の食品や化学製品の製造にも利用されています。麹菌の特性や機能を理解し、適切に管理することで、さまざまな製品の品質や特性を向上させることが可能です。
酵母とは(上記で出てきた酵母について調べてみた。)
酵母は、自然界に存在する微生物の一種で、主に糖を分解して二酸化炭素やアルコールを生成する働きを持っています。これを利用して、パンやビール、ワインなどの発酵食品や発酵酒を作れます。
酵母は通常、糖をエネルギー源とし、酸素がない状態でも生存できます。このような状態を嫌気的と言い、酵母が発酵する際に重要な役割を果たします。
酵母は一般に、サッカロミセスという属の酵母がよく知られていますが、他にもさまざまな種類の酵母が存在します。酵母は加熱や保存などの環境条件によっても影響を受けるため、食品加工や製造業界では適切な酵母の選択と管理が重要とされています。
麹の種類
麹(こうじ)は、日本の伝統的な発酵食品の製造に使用される微生物の集合体であり、様々な種類があります。以下に、主な麹の種類とそれぞれの特徴をいくつか紹介します:
米麹(こめこうじ)
米を原料として作られる麹で、日本酒や味噌、醤油などの製造に使用されます。米麹は、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)という麹菌によって作られます。日本酒の醪(もろみ)作りにおいては、米麹が糖化作用を担い、デンプンを糖分に変える役割を果たします。
麦麹(むぎこうじ)
小麦や大麦などの穀物を原料として作られる麹で、味噌や醤油などの製造に使用されます。米麹と比べて、麦麹は風味や香りが異なるため、製品に独特の味わいをもたらします。
小麦と大麦の違い
- 小麦:小麦の粒は円形で、中央に穴が開いています。小麦の穀物は比較的大きく、色は白っぽい黄色です。
- 大麦:大麦の粒は楕円形で、小麦よりも小さく、中央に溝があります。大麦の穀物は茶色や赤褐色をしています。
豆麹(まめこうじ)
大豆を原料として作られる麹で、味噌や納豆などの製造に使用されます。豆麹は、アスペルギルス・オリザエに加えて、レンティクラゲニナという納豆菌によって作られます。豆麹は、豊富な栄養素を含み、味噌や納豆の風味や香りを形成します。
- 黒麹(くろこうじ): 米や大豆に黒米などの黒色の原料を加えて作られる麹で、健康食品などに利用されます。黒麹には、通常の麹とは異なる栄養素や抗酸化物質が含まれているため、健康への効果が期待されます。
黒麹の使い方
黒麹は、日本の伝統的な発酵食品の製造に使用される麹の一種であり、健康食品としても利用されています。以下に、黒麹の一般的な使い方をいくつか紹介します:
黒麹エキスの製造
黒麹からは、黒麹エキスが抽出されることがあります。黒麹エキスには、ポリフェノールやアントシアニン、ビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれており、健康に良いとされています。黒麹エキスは、健康食品や栄養補助食品として利用されることがあります。
甘酒(あまざけ)の製造
黒麹を使用して甘酒を作れます。黒麹を米や水と一緒に発酵させることで、甘酒ができます。甘酒は、栄養価が高く、整腸作用や美肌効果が期待されるため、健康飲料として人気があります。
黒麹米の製造
黒麹を米と一緒に発酵させ、黒麹米(こくきんまい)を作れます。黒麹米は、通常の白米と比べて栄養価が高く、抗酸化作用があるとされています。また、独特の風味や香りがあり、料理にアクセントを加えれます。
発酵食品の製造
黒麹を使って発酵食品を作ることができます。黒麹を大豆や麦などの原料と一緒に発酵させることで、味噌や醤油、納豆などの発酵食品ができます。これらの発酵食品は、消化を助ける働きや栄養価が高いとされています。
これらは、黒麹の一般的な使い方の一部ですが、さまざまな方法で活用することができます。健康への効果や風味などを考慮して、黒麹を利用した料理や飲み物を楽しんでみてください。
麹の種類のまとめ
これらは一般的な麹の種類の一部ですが、さまざまな原料や製法によって多様な種類の麹が存在します。麹は、日本の伝統的な食品製造において重要な役割を果たし、その独特の風味や香りを食品にもたらします。
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最後に
今回は大人のたしなみシリーズですね。 お酒の話の中で、麹や酵母が出てきて、かなりのボリュームになってしまいましたね。そんな中で、麹菌がお酒では重要ということだけは覚えたいですね。それは、上記でも書きましたが、麹菌が米のデンプンを分解する際に生じる香り成分が最終的な味わいや風味に影響を与えるからです。大人の階段を歩いてますね。麹(こうじ)を調べてみて、凄さを感じました。味噌汁を飲むと体調がよくなるように感じたのは、気のせいではないではと思い始めました。日本人の長寿は日本食にありっていうのがわかりましたね。
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